八月の鷹(最後の希望編)
―ああ!溶けていく!僕の記憶が!思い出が!―


本当に食って、寝て、バイトして、64しているだけだったような夏休み。

箱から最後に出てきたのは一体何なのか?


っていうかセガール。







<日本の夏、DENGEKIの夏>


映画館リードシネマで働いている僕ですがバイトの特権、「映画をタダで見れる」を行使したことはまだありませんでした。

しかし大作映画が連打されたこの夏、一つも映画を見ないで過ごしてよいものか?

否、否、三度否!

と、言うわけで俺は映画館に映画を見に行く事にしたのでした。


で、初めてリードで見た映画。






DENGEKI −電撃−






主演:スティーブン・セガール




映画雑誌「PREMIER」誌での「ハリウッドを動かす大スターBEST100」

では当然ランク外。


公開三日目で客入り17人。 そのうち6人がリードのバイトという恐ろしい興行成績。

では何が俺をこの映画に惹きつけたか?

そんな疑問にズバッと代弁してくれた以下ファミ通の映画コーナーの紹介うろ覚え。




そこにいるだけで笑える映画スター、スティーブン・セガールの最新作!!」




ハイ、まったく的確です。

全体的に滲み出すB級スターな感じ、あからさまにアクションスターといいがたい体形。

正に俺の理想のスター像です。

いやあ、よく弟と二人で沈黙の艦隊ごっことかやったなぁ。




ポスターとかもうズルいレベルまで来てます。 これ見た瞬間に俺は映画見ることに決めました。

面白過ぎます、この顔は。 右手にチェーン巻いてるし。




俺の好きな要素ばかり詰め込んだ夢のような映画、DENGEKI。

客入りが不信で予定を変更して公開が短くなった8月30日、これを見に行ったのありました。






当日。

気合を入れすぎて30分も早く着いてしまったので取り合えず隣りの館でやっていた

「幻想魔伝 最遊記」の男女比率の計算をしてみた。

ちなみに結果は 男:女=14:50でした。 

いや、だから何だって言われるとアレですが。




                                                お み や げ
パンフレットとポスターを購入。 ポスターは3枚買いました。 投げ付け様に。

上映までもう少し時間があるのでパンフレットを見る。

最初のページ。




アドレナリン全開!! ベスト・オブ・セガール!!




のっけからニヤけるようなこと書いてあります。

ペラペラめくってみるとこんなイイフレーズが。




悪党どもをぶちのめす
セガール拳!
 セガールキック! セガールチョーク!





って言うのも気になりますが、チョークってのは一体。 否が応にも胸が高まります。

くう、早く見てぇ。


高まる心を抑えてパンフを読んでいると原作者のお話が。

何と原作者は現職の警官だそうで、パトロールの最中に助手席でペンとメモを持って小説の原案を考えていたとか。

とりあえずもっとちゃんと仕事してください。

と、思わず突っ込んじゃいましたがどうやらこの警官、


「最初から主人公オーリン・ボイドはセガールのイメージだった。」


という話のわかる警官だったので全然許す事にします。




ところで、この警官の書いた小説の原題は「Exit Wounds」と言うらしいのですが、

それが何処をどうすれば「DENGEKI」になるんでしょうか。(アメリカでの公開タイトルもこれ。)

僕、色々考えましたが

日本語が堪能なセガールが一枚噛んでいるとしか思えませんでした。






そんなことを考えているうちに上映のブザーが鳴る。 さあどっからでもかかって来い!!

以下の文はネタバレを含んでいますのでイヤな方は見ないでいてください。 多分いないだろうけど。






序盤


開始10分。いきなりアームドカー&アームドヘリVSセガール単騎と言う弩級の戦闘が始まる。

勿論セガールの勝ち。


絶殺です。 傷一つ負っちゃいません。

「沈黙」シリーズ等、どのセガール映画でも言える事ですが、基本的にセガールは無敵です。

そりゃテロリストの一個師団を単騎でやっつける位ですからアームドカーやヘリの2機や3機屁でもありません。

繰り返しますがセガールは無敵です。






中盤


そんな無敵ッ子セガールですが、美人上司に感情コントロールセミナーに通わされる羽目になります。

「ここが今までのセガール映画と一線を画す! 失敗続きのお茶目なセガールがポイント!」

などとパンフレットには書いてありますが、

僕はそれよりも自分の身体に自信が無いのか、男子更衣室でも裸にならない

セガールのほうがお茶目に感じられました。






終盤


ストーリーもいよいよ佳境に。

美人上司は何だかよくわからないうちに死ぬしラスボスがこいつだなんて夢にも思わないし

何だか結構たいへんな感じ。

ここでの見所はなんと言ってもバイクチェイスのシーン。 

セガールがウィリーします。あのセガールが。

白状しますが僕、映画館で吹き出しました。

絶対ワイヤーアクションだったと確信します。

ラスボスを叩きのめして(と言うか殺して)「の・さんしゃーいん、の・さんしゃーいん」ってDMXの曲が流れてエンド。




いやあ、正に圧巻でした。

悪党をぶちのめすセガール拳! セガールキック!!


・・・あれ? そう言えばセガールチョークは?






エンディング


映画誌「PREMIER」曰く、「ここがこの映画一番の見所」

さぞかし凄いんだろうなぁと、楽しみに見てみました。






酷。






例えいつか「DENGEKI」が金曜ロードショーで放映されるような事があっても、

この部分はカット間違い無し。 請合います。










さてさて、ここまで読んだあなた、早速「DENGEKI」が観たくなっちゃった事でしょう。

残念ながらもう公開は終了してしまいましたが、そんなあなたに朗報です。


11月下旬、「DENGEKI」ビデオ、DVD同時発売決定!!


さあ、近くのレンタルビデオ店とかに走れ! そしてセガールに浸かれ!!

言ってみりゃセガールまみれですよ? こりゃ?






おっと、そうそう、鑑賞に際して一番大切な事を言うのを忘れてました。






この映画、そんなに面白くないんで。

セガール以外。










<余談>

9月の頭から実家に帰るので荷造りをしていた俺。

ダンボールがパンパンになったのでガムテープで口を閉じる事にする。

が、ここでグッドな閃きが去来。




荷物の一番上にDENGEKIのパンフを置く俺。




ダンボール空けた瞬間にセガールが飛び出してくるギミック。

うーん、われながら何と面白いのだろう。

一番最初に開けるヤツの驚く様が目に浮かぶじぇえ。








二日後。


とうるるるるるるるるるるるん!!


俺 「ハイ、俺ですが。」

母 「ああ、アンタ? 荷物とどいたわよ。」

俺 「
(開けたのは母ちゃんか・・・)で、どうだった? 開けての感想は?」

母 「ビックリしたわよ、ダンボール開けたら中からブルース・ウィリスが出てくるんだもの。」







そう来たか。


あー、俺の負け負け。








<余談2>


原作者の警官がパトロール中に書いた「Exit Wounds」ですが、

なんとこれには今回と同じオーリン・ボイドが主役の「2」がある模様。


万が一「2」が映画化される際にはタイトルはどうなるのか?

リードの先輩と一緒に考えてみました。






(例のポスターの顔をしたセガール。右手と左手で相手の片腕を掴んで)


AKUGEKI −握撃−






自分で言うのもなんですが超見てぇ。


ワーナーブラザーズさん、お願いします。






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