水銀体験(シルバー・エクスペリエンス)
あれは確か中3のことか。
我が弟・N士が風邪で学校を休んだときのこと。
消化によいというので、ばあちゃんが晩飯にうどんを作っていた。
その横で体温を測るN士。
ば「N士や、熱は下がったかいね。(新潟弁)」
N「37、5度ぐらいだ。さっきよりよくなったな。」
と、言って体温計を置いて去っていくN士。
ばあちゃんはうどんを煮込みつづける。
そしてうどんが完成。
ば「おーい、できたぞー。」
わらわらと集まる家族。楽しい団らんのひとときが始まる。
うどんをすすりながら話すその姿はある意味家族の理想である。
うどんは飛ぶように売れていく。
俺ももう一杯食べようかな・・・と思ったそのとき、鍋の底に丸いものを見つけた。
最初は豆か何かかと思ったが、何だかちがうっぽい。
そしてその横にも何か異物がある。 おたまですくってみる俺。
どこかで見たことのあるような形だ。
俺「・・・なにこれ? ひょっとして・・・体温計?」
・・・ざわ・・・ざわ・・・ざわ・・・
どよめく家族。するとそのとなりにある豆みたいな奴は・・・
俺「水銀だよ!!これ!!」
なんてこった。どうやら一家そろって水銀入りうどんを食ってたらしい。
まさに水銀体験(シルバー・エクスペリエンス)!! ・・・って洒落にならん。
危なくレクイエム(意味不明)。
幸い今のところは何も無いけど。